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[资料收集]圣三棱玻璃

聖三稜玻璃

  

暮鳥は1915(大正4)年12月に、第3号で広告しておいた詩集「聖三稜玻璃」をこの人魚詩社から出版しました。これは1914(大正3)年5月から1915(大正4)年6月までに、「風景」「卓上噴水」「地上巡礼」「アルス」「詩歌」等において既に発表したことのある詩を編集したものです。

  この間に、暮鳥は1か月に10篇以上、総数で凡そ00篇を上回る詩を発表していますから、脂の乗り切った頃です。その中から35篇を選んだのですから、その編集態度は厳格そのものであったことが窺われます。 
  題名中の「三稜」は角が三つあるということですから三角という意味、「玻璃」は仏教でいう七宝の一つである水晶のこと、或いはガラスの別名でもあります。「聖三稜玻璃」全体では「聖なるプリズム」ということになるのでしょうが、詩集の題名として使うに当たって何を意図したのかは分かり兼ねます、というかそこらを解説してくれる本は見当たりませんでした。 

この詩集に収められた詩はどんなものであったかと言いますと、

  • (1)キリスト教に関連する発想の詩が35篇中に17篇あり、ほぼ半分以上になること、

  • (2)彼の心に覚えた戦慄を何の説明も加えずに、その戦慄を与える言葉だけを直覚的に表出したこと、

  • (3)表現、詩形式が新奇であること、即ち、繊細な感情や抒情を導き出す形容詞があまり使用されておらず、また、行と行との関連を示す接続詞も使われていません。

等の点が挙げられます。 

その難解さ・新奇さを知るために一例として挙げるなら、1番目にある「囈語」というのが格好の素材ですが、PCでは打てない字が多いのでこれは避け、2番目の「大宣辞」をご紹介します。

  • かみげはりがね

  • ぷらちなのてをあはせ

  • ぷらちなのてをばはなれつ

  • うちけぶるまきたばこ

  • たくじやうぎんぎょのめより

  • をんなのへそをめがけて

  • ふきいずるふんすい

  • ひとこそしらね

  • てんにしてひかるはなさき

  • ぎんぎょのめ

  • あかきこつぷををどらしめ

また、キリスト教に関連する詩の一例としては、6番目の「図案」という詩をご紹介します。

  • みなそこに壺あり

  • 壺のなかなる蝙蝠は

  • やみよの紋章

  • ふね坂をのぼり

  • 朧なる癲癇三角形

  • くされたる肉にさく薔薇

  • さてはかすかな愛の痙攣

「蝙蝠」「癲癇三角形」「くされたる肉にさく薔薇」「愛の痙攣」などがキリスト教における神への背反を象徴する語句なのだそうです。 

では、暮鳥は何と言っているのでしょうか。教え子だった小山義一(茂一)氏に宛てた書簡で、「…小生は今の文壇乃至思想界のために、ばくれつだん(筆者註「爆裂弾」)を製造してゐる。…(中略)…此の特集、今世紀にはあまりに早き出現である。千年万年後の珍書である。これ小生の詩集にして小生のものにあらず。即ち人間生命の噴水である。その聖くして力強きをみよー。」とその抱負・自覚を書いています。
  また、「小さな穀倉より」(山村暮鳥全集第4巻・筑摩書房に収載)という随筆集のなかから関連する記事を拾ってみますと、   

  • ・「自分はことばを愛する。それに依って感情が形となるのである。思想が音響となるなるのである。まことに言葉はそれ自らの奇蹟である。」(「自然其他」)

  • ・「詩は三位一体である。リズムと発見(創造)とイルミネーション、これが伴奏者は共鳴と驚異と感謝である。」(「自然其他」)

  • ・「ことばに非ず音(サウンド)である。文字にあらず、形象(かたち)である。それが真の詩である。」(「触覚抄」)

  • ・「音楽に於いて色彩をみ、絵画において音響をきくのである。そこに詩がある。音楽に於いては音楽をわすれ、絵画においては色彩をわすれ、詩歌に於いては文字をわすれるのである。そこに真の芸術のはじまりがある。」(「FRAGMENT」)

等が、私見ですが、そのポリシーを語っているように思えます。 

「聖三稜玻璃」は詩壇に賛否両論を巻き起こし、大きな刺激・衝撃を与えました。最も辛口の批判は、例えば、「…物好きと言うより以外に詩作の動機が果たしてあるだろうか、全く意味のない邪気に満ちた悪戯にすぎない…」(柳沢健)、「…山村氏が良い霊の所有者であるならもっと詩に進歩があると思う…」(川路柳虹)、「…本然性に欠けて、只人の好奇心を挑発するにすぎず…」(日夏耿之介)などです。室生犀星も「…ことごとく難解でむずかしく、ひとりよがりではないかと思う…」という手紙を未知・既知の人達から貰ったと記しています。
   逆に最も評価したのは萩原朔太郎で、「内容に於いても形式に於いても当時の詩壇に比類なき純独創的なものであった。…日本詩史に不朽の真価を有し、永く詩壇の記念塔として残るだろう…」と言っています。



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